中村果樹園では、台風対策としてアテモヤ圃場に平張施設を導入しています。
平張施設は、防虫ネット・防風ネットで風通しを保ちながら強風被害を軽減する設備です。
沖縄でアテモヤを安定して育てるため、施設構造や散水設備にも工夫をしています。
アテモヤの平張施設栽培とは
中村果樹園では、平成26年にアテモヤ圃場の一部へ平張施設を導入しました。
平張施設とは、通常のビニールハウスとは異なり、施設全体を防虫ネットや防風ネットで覆った栽培施設です。
屋根が平らで、建物全体が四角形に近い形をしているのが特徴です。
今回の記事では、沖縄でアテモヤを栽培する中村果樹園の平張施設について、写真とともに紹介します。
平張施設を導入した一番の理由は台風対策
平張施設を導入した最も大きな理由は、台風による強風被害を減らすためです。
アテモヤは、風通しの良い環境であれば比較的害虫が少なく、農薬を使わずに栽培しやすい果樹です。
一方で、強風には弱く、台風で枝が折れたり果実が傷んだりすると、収穫量が大きく減ってしまうことがあります。
通常のビニールハウスではなく平張施設を選んだ理由
アテモヤ栽培で平張施設を選んだ理由は、次のとおりです。
- 沖縄ではアテモヤの栽培に大きな温度管理が不要で、ビニール被覆の必要性が高くないため
- 軒高を低くし、柱を頑丈にすることで強風に耐えやすくなるため
- H鋼のビニールハウスよりも導入費用を抑えやすいため
- ネット被覆により風通しを確保し、施設内で害虫が増えすぎるリスクを抑えやすいため
中村果樹園の平張施設の様子
正面|通常時の状態

通常時は、内側の2mm目の防虫ネットのみを被覆し、風通しを良くしています。
側面|通常時の状態

台風対策の一つとして、平張施設の周囲を防風林で囲んでいます。
正面|台風時に外側ネットを下ろした状態

台風が近づいたときは、外側の1mm目の防風ネットを下ろして強風対策を行います。
側面|台風時に外側ネットを下ろした状態

外側ネットを巻き上げる器具

外側ネットの巻き上げには、くるくるパッカーという器具を使用しています。
ネットを簡単に巻き上げられる便利な器具です。
散水用のスプリンクラー

スプリンクラーは、受粉時期の湿度調整や、台風通過後の塩害対策として使用しています。
平張施設で育つアテモヤ
施設内部の栽培風景

施設内部では、アテモヤの樹を栽培しています。
平張施設の柱は厚さ100mmで、風速50m以上の強風にも耐えられる程度の強度があります。
天井近くまで伸びたアテモヤの樹

施設の天井近くまでアテモヤの樹が伸びています。
この圃場は、すでにアテモヤを栽培していた場所に、後から軒高2.5mの平張施設を建設したものです。
アテモヤの樹高や重機の通り道を考慮しながら、建設業者と調整して完成させました。
新しく植えたアテモヤの苗木

右側の小さな木は、新しく植えたアテモヤです。
順調に育っています。
今後も栽培状況に合わせて改良を進めます
平張施設の導入は初めての取り組みであり、現在も試行錯誤しながら栽培を続けています。
今後もアテモヤの育成状況を見ながら、少しずつ改良を加えていく予定です。
台風対策や農薬を使わない栽培が順調に進めば、平張施設での栽培をさらに拡大していきたいと考えています。


